だいぶ間が開きましたが、イタリア記の続き。
夜遅くフィレンツェから飛行機で未踏の地サルデーニャ、カリアリへ。
空港近くのホテルに一泊し、早朝にレンタカーを借りいざ出発。
今回の旅の最大の目的は、サルデーニャのアグリツーリズモ巡り。
海辺には目もくれず、一路サルデーニャ島のど真ん中、ヌオーロを目指す。
コルク樫とオリーヴの木々に囲われた道をひたすら進み、
一泊目の地ガヴォイ到着。山間の小さな村の一軒の宿に入ると、
老爺が暖炉で木をくべ、オレンジの皮を干している。
寒いだろう、と手招きされ席を空けてくれて、うちのワインだよ、と小さなコップに
冷えたカンノナウを注いでくれる。化粧っ気の無い、シンプルな赤ワイン。
身に沁みる暖かみ。ふと回りに目をやるとサルスィッチャやパンチェッタなどが
ぶら下がり、ペコリーノが薪の陰に並んで時がくるのを静かに待っている。
多くを語らない老爺との、柔かく温かい時間がゆっくり流れていく。
窓の向こうからの騒がしい音に、カルネヴァーレだよ行ってお出で、との声で
我に返り、街に出る。山車を冷やかし、絵葉書を買い込み、部屋に戻り、
夕食までコップワイン片手に頂いた年賀状への遅い返事を、
色褪せた葉書にしたためる。
夕食はハムやサラミに野菜のマリネ、ペコリーノのラヴィオリトマトソースに
パーネカラザウ、チーズ数種、仔山羊のアッラブラーチェにカンノナウ、
オレンジの皮とペコリーノのタルトを家族と供に頂く。食事後も暖炉で語らい、
芯まで温まったほろ酔い気分の体で、肌寒い部屋に戻り、床に就く。
寒かったです。。。